■未来のバーチャル・キャラクター #118

今日ふと、IT企業創設者の前田裕二さんのインタビュー記事を目にして、彼がバーチャルキャラクターを創ろうとしている旨を読みました。

バーチャルキャラクターと言えば、ジャニーズでも二人くらいいます。実際に、ジャニーズの誰と誰が声とか担当しているかは皆んなが知っているので、何ていうかな、半バーチャル、みたいな感じかな、と思っています。

今、取っている某クラスで、バーチャルな患者さんを使ってのアセスメントの練習、というのがあって、今日の患者さんは咳で苦しむ8歳の男の子でした。

アセスメントの練習なので、家族の病歴から過去の病歴に至るまで聞かなくてはいけません。バーチャルなのだから、事務的に淡々と質問すればいいわけなのですが、このバーチャルの子供が咳をするのを聞く度に、「ああ、咳で苦しいよね。ごめんね、こんなに時間がかってしまって…」という気持ちになって、気の毒で多少焦ってしまう自分を自覚しました。

これは、この咳で苦しむ8歳児だけでなく、眠れなくて体が疲れて、といって外来を訪れた患者さんの時も同じで、「他に健康上の問題はありますか?」と聞くと「眠れなくて疲れてるだけなんだから…」とか言われると「ああ、そうよね、そうよね、こんなに時間をかけてしまってホントに申し訳ない。早く終わるように頑張るから…」という気持ちになってしまいます。そして、キーボードのタイピングも必要な質問を超速攻で打ってたりして…。

(ちなみに、これ、Google Chromeのブラウザを使用すると、音声認識できて、そう言った意味で、もう少し実際のアセスメントに近づけるようです。将来的にはもっとその性能が向上するでしょう。)

そして、思ったのは、相手がこんなバーチャルな患者さんでも、人はこんなにも感情を移入してしまうものなんだ、ということ。

バーチャルキャラの初音ミクさんと結婚した男性がいましたが、理解できますね。

ところで、このバーチャルな患者さんの中に、糖尿病なのに一向に血糖値をチェックしたり食事を変えたりしない28歳の女性がいます。この女性が、眠れなくて疲れる(前述の)だとか、頭が痛いだとか、足に潰瘍できたとかで、何度も外来を訪れるわけなのですが、来る度に、その糖尿病に対して、一向に何もしてないものだから、こちらとしては、「何度言っても糖尿病のケアを始める気配が無いよね…」と、内心、ため息が出てしまったりします。

がしかし、働きながら学校に行って、テストが近いけど起きてるためにカフェイン摂って頑張るんだけど集中できなくて、日中も疲れて仕事に集中できない、とか言われると、そのバーチャルの困った28歳に同情もしてしまうのです。

更には、毎回この女性の着てくる服とか、髪型も何気に「へ~、今日の服可愛いね」とか見て思ってしまいます。

これくらい人がバーチャルな相手に対して感情を移入してしまうのなら、この先、バーチャルキャラクターの存在は、私達の心の拠り所にさえもなり得るかもしれません。

でも、実際には、きっとバーチャルキャラに感情移入してしまう人とそうでない人がいるんじゃなかな、とも思います。

バーチャルキャラ受け入れ脳とそうでない脳。

世の中は、漫画を読む人と、全然読まない人がいます。関係するかはわかりません。

私は小さい時から漫画を読んで来たけど、たまごっちにはどうもハマれなかった。ロボット犬も駄目でしょう。(そうか、相手が動物だからか… なの?)

バーチャルの患者さんに多少の感情移入はあるとしても、私生活にはどうかな、要らないかな(苦笑)。

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