■恐怖とは何か。
■極限の恐怖。恐怖が作り出すスーパーヒューマン
最近読んだ本の紹介です。
当初予想していた本の内容と少し違っていましたが、それはそれで面白かったです。
あまり詳しく言ってネタバレしてしまったら申し訳ないので、ざっくり書きたいと思います。
■恐怖とは何か
本では、まずポジティブな働きをする恐怖について書かれています。
恐怖があることによって、人は(マウスの実験でも)より効率的に行動する、ということがわかっていて、自分の中の、普段出せないような、自分でも気づいてなかったような、能力が出せる、ということが説明されています。
「火事場の馬鹿力」というようなことですね。
そして、それは、力だけでなく、スピードだったり、頭の回転だったり、ということも挙げられています。
■極限の恐怖
極限の恐怖は、その状況下でしか、測ることが出来ない、というわけで、著者は、著者自らがスカイダイビングの実験に参加しています。(この著者が研究者ということではありません。)
でも、スカイダイビングと言っても、実験である限り、被験者の安全は守られるのでしょうから、実験の被験者は極限の恐怖を測れるのだろうか。
戦争中に、夜の真っ暗な空からパラシュートでベトナムの地に降ろされる兵士とはわけが違う…。
この本は、2か月くらい前に買った本ですが、ふ~ん、という感じで読んでいたのですが、この度、国母さんのニュースが出たことで、思い出してひっぱり出してきました。
国母さんのスノボの滑りは、もう神の業(技)としか言いようがなく、あの滑り始めのテッペンの場所に立った時、彼は極限の恐怖を感じないのだろうか。と思いました。
そして、その極限の恐怖が彼をスーパーヒューマンに変えるのでしょうか。
そもそも国母さんは恐怖を感じていたもなのでしょうか。全てのそのような競技をする人が恐怖を感じるわけでもないんだろうと思います。練習を重ねると、恐怖はその分減るわけで、それを興奮とか、そういうのが恐怖を上回るのでしょうが、国母さんの仕事は、そういう整った競技場じゃない未踏の場所なのだから… どうなんでしょうか。どのくらいの恐怖なんでしょうか。
著者による、この本のまとめは、大きく3つ。
まず…
how the mind and body respond to being in fearful situations, in ways that are both helpful and unhelpful.
そして…
greater detail at 3 major categories of high-stress situations.
で、最後に…
more sophisticated understanding of the role of fear in our lives.
本は、208頁あるんですが、文献とかインデックスとかを全部含めると、246頁まであります。
参考文献が非常~に多く、著者がものすごくエビデンスにこだわり、調査に調査を重ねた上で書かれた本なのだということがわかります。