患者さんのアセスメントをするシミュレーション・ラボというのがあります。
■利点
■欠点
■シミュレーションラボはゲームか
■利点
シミュレーションラボの最大の利点は、好きな時間に、何度でも出来るということ。しかも、公衆の面前で恥をさらすことなく…。
このシミュレーションラボは、時間制限がないので、焦ることなく何度でもやれます。でも、そんなに何度もやり直したくはないですけどね…。2時間以上かかって、やり直しになった時の脱力感と来たら…。
看護プログラムにあった、高機能のマネキンを使用してのシミュレーションラボは、先生が予めバイタル等を設定していて、生徒の対応に合わせて、ガラス窓の向こうの別室にいる先生が患者の容態を変化させていく、というもの。
その場面になると、頭は真っ白で、シミュレーションラボの時間は公衆の面前で恥をさらす場所、でした。
それ以外に何があっただろう!ってくらい、それはトラウマになって、他に何を学んだかなんて覚えてないくらいです。
■欠点
私がこれをするのは2回目で、前回やったのは、かれこれ4年くらい前。同じ会社が作っているやつで、4年の間に、それなりに改善がされている感じです。
何が改善されているかって、予め、「どうすれば点が取れるかのポイントの説明がある!」という点です。
これが無いと、やってもやっても、荒野をさまよってる気持ちになります。
でも、予め、点を取れるチェックポイントを教えてもらうと、それはそれでどうなのかな…という感じ。
どこがポイントなのか、知らされないと、ここかもしれない、そこかもしれない、と割と真剣にあれこれやるんだけど、ここがポイント、と知らされると、じゃあ、その他に時間をかけるのはやめよう、という事になります。
相手は、コンピュータなのだから、話の流れがどうの、と気にすることもなく、「あ、しまった。〇〇を聞き忘れてた」と思ったら、例えば、足のアセスメントをしているのに「頭が痛くなることはありますか?」とか聞いたりすると、シミュ―レーション内の患者は、何の違和感もなく「時々ね」とか答えるわけです。
現実の場面でそんなアセスメントをしたら、患者さんは「え?は?何で今、頭痛の質問?」となるではないですか。
とにかく、話の流れがどうかとかそんなことはポイントに関係なく、となると、このアセスメントの練習に意味はあるのか、となってしまいそうです。
意味がないわけではありません。尋ねるチェックポイントをひたすら覚えるみたいな感じで、その点は利点の方に含むことができます。
シミュレーションラボはゲームか
前回シミュレーションラボを始めて体験したのですが、事前説明に、「コンピュータゲームが出来るスペックのコンピュータであること」と言うような項目がありました。
ゲームをするのと同じスペックが求められるんだ~、と思いましたが、実際は、ネット環境がちゃんとしてれば普通のラップトップでオッケーな感じです。でも、確かに4年前の方がシミュレーションソフトそのものが重かった気がします。
先日、国内線の小さな飛行機に乗った際、着陸がとてもスムーズだったので、降りる際、乗客が「スムーズランディングだったよ」と褒めていました。パイロットはコックピットから出て皆さんをお見送りしていたのですが、そう言われた時「ありがとう。すごい量のゲームしてるからね~」と言っていたのを思い出します。シミュレーションだよね、と他の乗客が言うと「まあ、そうとも言うね」と言って笑っていました。
シミュレーションラボは、結局の所、ゲームで、次に進むためには、求められているものを満たすルールを探して、そこを攻める、という作業なります。
そんなこと言ったら、毎日の生活そのものが、人生そのものがゲーム…
と言っちゃったらそれまでなんですが…。
ちなみに、パイロットやミリタリーのシミュレーション練習は、1950年くらいから始められていて、コンピュータを使用したシミュ―レーションが医療業界に登場したのは、それに遅れる事何十年、ということで、これからもっと高度に進化して行けると思います。
何がって… 中にデータ的に内蔵されている質問の類に合わなければ、患者は答えてくれません。また、it とか that とか何を指しているかわからないような言い方もダメです。更に、複合的な文章もダメで、and とか or も苦手。
だから、答えを引き出したい内容に対して、何度も質問を微妙に変えてみたりしていると、「ああ、もう~、これって時間の無駄なんじゃな~い?」と思ってしまいます。
というわけで、シミュレーション・ラボでした。