■インビザラインによる矯正とメンタルヘルス #194

現在、娘が歯の矯正中です。正しくは顎の矯正中です。

ここでは経験談として、「インビザラインによる矯正」について書いてみますが、いちコンスーマーの体験や意見なので、実際に歯科矯正をお考えの方は、ご自分の歯科医の先生にご相談下さい。各自の状態が違いますのでね!

目次

■インビザラインとは

■個人的な目的

■矯正とメンタルヘルス

■検査

■期間

■費用

■併用で行われる口腔筋機能療法

■始める際の、私達の個人的なQ&A

マウスピースのケースです。

スポンサーリンク

■インビザラインとは

特殊医療プラスチック製の透明なマウスピースを上下の歯にはめて、歯並びや顎のサイズを矯正していくセラピーです。

マウスピースは取り外し可能で、見た目的にも、言われなければわからないくらい自然です。

食事中は外しておけるので、矯正中の歯も清潔に保つことが出来ます。

マウスピースの上下。銀色のロゴマークがついててちょっとお洒落な感じです。触った感じは、硬すぎず柔らかすぎず、というところです。

矯正を始める際、歯科助手の方(Registered Dental Assistant)が、レジン素材のアタッチメントを歯の表面につけてくれます。これは、白いポチっとした小さいサイズのもので、見ようによっては、歯にキラキラしたアクセサリーがついてるようにも見えます。

痛みもほとんどないようです。

一番最初の付け初めに、違和感や痛みが少しあるのは想定内で市販の痛み止め(アセタミノフェン錠等)を飲んでもいいですよ、ということですが、もしその違和感や痛みが続くようなら、それは我慢すべきものではないので、申し出てくれるように言われました。

■個人的な目的

インビザラインは、主に歯の矯正のためのものですが、うちの子(17歳)の場合は、顎のサイズを広げる目的でした。

始まりは、半年に一度の通常の歯のクリーニングの際、歯の表面がやけに削れてギザギザになっていることに歯科医が懸念を示したことでした。

以前から「ギザギザだね、夜、歯ぎしりしてる?」とか「ストレスあるの?」とかそんな感じで指摘はされていましたが、特に治療には至りませんでした。が、そのクリーニングの日、子供が「頭が時々痛い」と訴えたそうで、歯科医が、歯と頭痛と子供のメンタルに、何か関係性があるんじゃないか、と思ったようです。

これはタイミング的なもので、その歯科医師自身が、自身の体調のことで調べた結果、インビザラインにたどり着き、うちの子供にも有益なんじゃないだろうか、と思われたようです。

営業と言われたら営業かもしれないけど、当時は、子供のメンタルヘルスの向上のためなら、あれこれ躊躇していられる余裕はなかったので、親子とも「是非」と賛成しました。

■顎の矯正とメンタルヘルス

呼吸や酸素量は、メンタルを良好に保つのに大きく関与しています。例えば、鬱の状態の人の脳の血流を調べた際、健康な人に比べ、血流量が少ない、との報告もあるようです。

呼吸、特に睡眠中の呼吸は大事で、無呼吸の状態が何度もあると、日中は眠かったり疲れていたりします。物事(勉強など)に集中できず、悪循環を引き起こす結果になります。

呼吸は、舌の位置のせいで止められてしまうことも多く、これらいろいろな要因がメンタルヘルスに覆いかぶさるように影響するので、取り除ける要因は出来るだけ取り除けたらいいです。

うちの場合は、顎が他の人に比べて狭く小さく、顎を広げて呼吸をもう少し楽にしよう、ということでした。

歯の表面のギザギザについては、長年のストレスが原因だろうと思われるのですが、呼吸を整えることでそれを改善していけたら、ということで合意したという感じです。

加えて、私達には、矯正をすべく、もう1つの理由がありました。これは個人的な状況ですが、うちの子供の臼歯(永久歯)が何らかの理由で知らないうちに小学校低学年時に抜かれており(ショック)、隙間が空いていました。

そのままにしておくと、他の歯に悪影響を及ぼすのですが、今の段階ではインプラント出来る隙間サイズではないようです。

というわけで、インビザラインで、そこにインプラントが出来る空間を確保して、将来的にインプラントをしよう、ということに決まりました。

■検査

最初の一歩は、睡眠中の呼吸と心拍数を測る検査から始まります。

手首に装着するタイプのデバイスをお借りして、記録を4夜連続で取り、自動的にデータがデバイスに残るので、それを歯科医にお返しするというもの。家で出来るし、装着して寝るだけなので、親がどうこうする、というものでもありませんでした。

あと、喉のサイズを測るレントゲン写真を撮りました。通常の喉のサイズより少し狭いくらいのサイズでした。これについては過去にもブログで書いていますので、そちらのリンクを載せておきます。

検査はこれだけでした。これらの検査をしたのは去年で、その後コロナパンデミックの影響で歯科クリニックがしばらくの間、閉められることになり、夏頃になってやっと歯科医師とのコンサルティングが設けられました。

コンサルティングの際は、一晩に平均してこれくらい呼吸をしていな時間があります、とか、これを何年か続けるとこのようなリスクがあります、とかいう説明をされました。

上記検査とは別に、マウスピースを作成してもらう前に、歯の型を取ります。

これは、従来の石膏のような型取りではなく、デジタルでデータを取り、そのデータをもとに3Dプリンターで型を取ります。これからは、3Dプリンターによる型作りが主流になっていくと思われます。

■期間

通常、インビザライン装着期間は6カ月です。

スケジュール的には、次のようなスケジュールになります。

  • 最初の歯科クリニックでの装着
  • 一週間後のオンラインチェック
  • 2週間後のクリニックでのチェックと、その後のマウスピースの受け取り
  • 2か月後のクリニックのチェックと、その後のマウスピースの受け取り

この日が来たら新しいのに取り替えてね、という日にちです。

新しいマウスピースのセットを定期的に受け取ります。

マウスピースは、徐々に顎が広がるように、微妙にサイズが違っています。最終的に目指すサイズから逆算されて作られています。

■費用

インビザラインの費用は、クリニックによって様々ですが、大体どこも数千ドルが相場です。日本円にしたら、数十万円というところでしょうか。

先に述べた4日間の自宅での検査及び喉のレントゲン写真は、大体数百ドルです。

これらの検査は保険が効きませんでした。

数千ドルのうち、私の歯の保険会社から$1500ほどの保険金が出ました。これは、インプラントの必要性に絡めた結果だと思います。それが無かったら、コスメティック的な治療ということで、保険が全く下りなかった可能性もあります。

この金額の一括払いは私には無理なので、ケアクレジット、という期間内の分割払いなら利子がつかない、というクレジットを利用しています。ケアクレジットはアメリカ国内のクレジット会社ですが、保険が効かない美容整形や動物病院の支払い、歯科治療や眼科治療、皮膚科治療の支払いなどに使用できます。

ケアクレジットは、その他、実にいろいろな出費に使用することが出来るます。リストがあるようなので、こちらのリンクを参考にしてみてください。

クレジット払いの期間は6カ月や12カ月ですが、この矯正に関しては特別24カ月、というオプションがあり、それを使用しています。

■併用で行われる口腔筋機能療法

口腔筋機能療法は英語で「myo-functional therapy」と言います。

舌の神経を刺激したり、口の中や口の周りの筋肉を鍛えたりして、舌が自然に定位置に収まれるように鍛えます。

口腔筋機能療法を矯正と同時進行で行っていくことで、矯正結果がより良いものになることを目指しています。

口腔筋機能療法のゴールは次の2点です。

(1)鼻呼吸がきちんとできるようになる。

(2)寝ている間の無呼吸症候群の症状を緩和する。

諸事情で、うちは今、この口腔筋機能療法をお休みしている状態にありますが、同時進行される方は、セラピストについて数々のテクニックを学んでいきます。

楊枝やコットンボール、ストローや歯ブラシその他、を使用して、最初の数週間は、集中的にテクニックを学びます。その後、それらを生活の中に取り入れながらセラピーをインテグレイトしていく感じになります。

個人的な感想として、口腔筋機能療法の機能的なポイントは、次のような点が含まれます。

●いかに舌の先端の意識を高めて、舌が自然に上あごの定位置に収まるようにする

●口をしっかり閉じて鼻呼吸をする

●下の両脇の神経の意識を高めて、睡眠中に舌がだらんと下がって喉にかぶさらないようにする

セラピーは全18回でしたが、結局、私達は7かい目くらいでお休みとなりました。セラピーに改めて取られる時間が重荷だったのが原因ですが、生活に取り入れられるのをお休みする前に教えてもらって、それを時々実践しています。

それは、次のようなもののです。

(1)水を口に含み、少量を飲み込まずに舌と上あごの間にキープして、同時に舌の先端を上あごの定位置に意識的に置いて、その後水を飲みこむ。

(2)クラッカーを30回くらい噛み、医療用の小さな輪ゴムを舌の先端と上あごの定位置の間に置き、輪ゴムを定位置においたまま、噛んだクラッカーを飲み込む。

(3)輪ゴムを下の先端と上あごの定位置の間に置き、5分くらいキープする。これを繰り返す。

などです。他にも数多くありますが、数を限りなく少なくしてもらいました💦

■口腔筋機能療法 (myofunctional therapy) 第一回目 #185

■始める際の、私達の個人的なQ&A

Q. 学校や外出先など、家以外の場所でいちいち歯磨きをするのが大変

A. 磨くのが望ましいけれど、それが大変な状況では、水でのうがいなどでも大丈夫です。

Q. (装着時に飲んでいいのは、水、と言われたので)水にレモンを入れるのは大丈夫?

A. レモンの酸がプラスチックの素材を損傷させる可能性もあるのでお勧めしない。

★これについては、本人はもともとレモンが無くても大丈夫なので問題は何もないけど、個人的には、短期間で次の物に取り換えるから素材を損傷という点についてはあまり問題無いかと思っています。でも、歯が常にプラスチックで覆われていることを思えば、むしろ、エナメル質への影響の方を心配してしまいます。いずれにせよ、大事を取って、酸は避ける、という方向で。

Q. アタッチメントは取れてきませんか?

A. 稀に取れてくることがあります。取れた場合は、クリニックに立ち寄ってくれたら取れた箇所に付け直します。

以上です。

インビザラインの矯正をするようになってから、間食が減りました。それだけ取ると、良い事のようですが、ケアの手間を考えたら、食べるのが億劫、となってしまい、時々一日二食になっていたりすることがあるので、実際、痩せてきてしまいました💦

でも、6カ月って割りとあっという間です。

去年の8月頃から始まっているので、あっと言う間にあと残り1~2か月。顎は一体どうなっているでしょうか。ちゃんと広がってくれるでしょうか。

コロナ感染防止の関係で学校が全部リモート授業となってしまったため、学校に行って昼食時に外して…という大変さには遭遇しませんでした。

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク