■アメリカの精神科病棟の一日 #166

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■精神科閉鎖病棟の雰囲気

■小児用施設

■大人用精神科病棟での一日のスケジュール

■小児用精神科施設での一日のスケジュール

■退院

■精神科病棟の雰囲気

精神病院に入院すると聞くと、その閉鎖病棟のイメージから「怖い」と思う人が多いと思います。私のアメリカの精神科病棟のイメージは、各病院の造りにもよるでしょうが、他のMed-Surg等に比べ、「明るい」です。

病室がコの字型風に配置され、「コ」の開いた口の部分(一辺)がナース・ステーションで、真ん中に、天窓だったり高い天井がある庭やアクティビティルームがある、というイメージです。

これは、私が仕事や実習で訪れた事のある病院に共通するものでした。でも、これらは、大人用で、入院は、短期から割と長期までいろいろです。そしてこの場合は「病棟」です。「フロア」又は「ユニット」ですね。

ソファやテーブルが置かれたラウンジみたいな場所には、観葉植物が置かれ、明るくて、患者さんが、訪問した家族と会って話をしたりしています。

■小児用施設

小児用(下は9歳くらいから上は17歳まで)は、また違った感じです。小児は、大人とは違う施設になります。大人と子供が一緒の場所で入院することは私の知る限りではありません。

小児用は、大人用の施設に比べ、特殊で数が少なく、家族から遠く離れた場所になることもしばしばです。でも、それはしょうがない、とされています。家族にとっては心が引き裂かれる思いでも、こればっかりは、しょうがない、となります。小児の場合は、近隣の病院にとりあえず収容され、小児専門の施設に転院される、という運びになります。

遠いので、救急車(サイレン鳴らさない)での搬送が高額です。基本料金に加え、1マイルにつき、大体$60くらいチャージするので、300マイル離れた場所に搬送される場合は、基本料金+マイルチャージが$1800ですね。

小児用は、大体が「acute」用です。小児の精神科治療は、大人の治療よりも費用が嵩むようです。期間は、短ければ2~3日、ちょっと長引いて一週間、長くても2週間以内には退院となります。

■大人用精神科病棟での一日のスケジュール

大人の場合は、朝起きると、バイタルを取り、朝食をとり、朝のアクティビティに参加します。その間、各自お薬を貰ったりします。看護師は、朝のアセスメントをします。

昼食を取り、午後のアクティビティをします。この「アクティビティ」というのは様々で、グループセラピーだったり、クラフト系のいわゆるアクティビティだったり、様々です。

この合間に、各自、ソーシャルワーカーやセラピストとの面談があったり、医師の診察があったりします。

精神疾患以外の、内科的な疾患がacuteであった場合は、まずそちらで治療をしてから、精神科病棟に移されます。

開いた時間には、ラウンジ的な場所で、読書をしたり、テレビを見たり、お話をしたり、自由に過ごします。

■小児用精神科施設での一日のスケジュール

小児用の専門施設は、数が少ないこともあり、大人に比べて、アドミッション(入院の受け入れ)件数が多く、一日に数件以上(数人以上)の患者さんが入院してくることも普通です。新患の入院患者さんがあると、手続きがいろいろあって、その分時間が取られるので、スタッフがしょっちゅう「short」な感じになります。

小児は大人に比べ、あまり暇な時間を与えられず、なんとなくイメージ的には「合宿」という感じ。

でも、9歳と17歳が同じ場所にいるわけじゃなくて、大体は、年齢で分けられて、14歳から17歳、みたな感じになるので、更に「合宿」みたいな感じ。

朝は「はい、起床~」バイタル取りますよ~、という感じで、血糖値も測り、チャッチャと始まります。(大人の病棟は、起きない人は起きない)

朝食をみんなで取って、朝のアクティビティ。グループセッションやエクササイズなどです。

小児の場合、内科的な病気はあまり伴っていませんので、メンタルに的を絞ります。

グループで行動することが多い理由の一つに、監視の目の数に限界があることが挙げられます。

看護師が足りないと、「はいはい、みんな、ここに居てね~」という事にもなります。

しかし、まず、忙しい。小児の場合は、スケジュールが朝から晩まで(文字通り晩まで)びっしりです。でも、暇な時間もあるにはあって、子供(患者)によっては、その時間にイラっとする場合もあります。子供はあまり暇な時間を与えるとハンドル出来ない、ということもあります。

親は、電話をしてもなかなか、子供にはつないでもらえない確率も高いです。

電話を取り次ぐスタッフも忙しいし、子供もスケジュールびっちりなのです。

親は、ここでやきもきしないで、気長に電話してみる、というスタンスに切り替えないと、人によっては怒りが爆発してしまう場合もあります。

大人に比べて、子供の場合は、アクティビティが午前中に2つ、午後に二つ、夕方にも二つくらい入っています。夕ご飯後は、映画だったり、リラクゼーションだったりしますが、映画の途中で親から電話が来たら、「え~、何で今?」となる可能性もあります。

食間のスナックも、いろいろ子供好みのスナックが揃えてあって、これもまた「合宿」的な感じで、あれこれ選んでちょっと楽しそう。

そうなのです、子供にとって、入院は、もしかしたら、メンタル疾患の元となる「家庭」から一時離れて、ちょっと楽しい場所と思えるかもしれません。少なくとも、拷問的な場所ではない筈です。辛い場所は、むしろ家庭の方かもしれません。

小児の専門施設と大人の精神科病棟の大きな違いの1つに、面会もあります。小児の場合は、家族は中に入れず、看護師に会う事も無い場合が多いです。

面会は、限られた時間に、限られた場所で行われます。一日に一回、決められた時間(1時間くらい)に行き、子供に会わせてもらえます。

■退院

精神科病院に入院する、というと何だかもう隔離されて閉じ込められてしまうイメージがあると思いますが、そんなことはないです。いや、実際、「隔離」されて「閉じ込められて」しまうのですが、永遠にimprisonment になってしまうんじゃ… というのはありません。病院も、いかに、社会に戻ってもらえるか、を模索して、セラピーなども交えて考えてくれます。

子供の場合は、大概すぐに学校復帰になります。出来るだけ早く元に戻すのが目的です。でも、併せて、退院直後のセラピストの予約、医師との予約、学校のカウンセラーとの連携なども退院のプランに盛り込まれます。

入院する施設は、他の疾患同様、あくまで「acute」な状態を乗り越えるためのものす。3日くらいで出されてしまうのも、他の「acute」な症状の患者さんへの対応を迫られるためでもあります。

圧倒的にベッド数が少なく、患者数は多いのです。

なので、長期戦となる治療は、セラピストと共に退院後にしていきます。

退院後は、家に戻れる子供もいれば、家に戻れずに、グループホームに行く子供もいます。

これは、高齢者が、病院から出ても、すぐに家に戻れる体力や機能が無い場合、SNFという場所に一旦移され、そこで体力がアップするまでフィジカルセラピーなどを受けながら滞在する感じに似ています。

いずれにせよ、ケースマネージャーやセラピスト、医師などがチームで退院のプランを立てます。

助けを必要としている子供は大勢いても、精神科施設に収容されることはなかなか無いので、もし誰か子供が入院することになったとしたら、私はきっとその子のために「ああ、良かったね!」と思うと思います。

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